基板の表面処理について それぞれの特徴

基板の表面処理として、主なものは、銅スルー耐熱プリフラックス処理、
はんだレベラー処理、金フラッシュ処理の3通りありますが、それぞれ特徴があります

銅スルー、耐熱プリフラックス処理 
長所:
1.基板パットの表面が銅なので、半田濡れ性もよい
2.パットの表面もフラットで、BGA、LGAの実装に適しています
欠点:
1.銅の表面が汚れ(酸化し)やすく、基板製作から実装までの時間が短い
2.加熱するたびに、銅表面が酸化するので、窒素リフロー炉が必要となります
3.リフロー半田付けのみで完成させると、バイアスルーホールなど、銅がむき出しになります

ハンダレベラー処理(HAL)
基板を半田槽に浸し、引き上げる際にエアナイフで余分な半田を吹き飛ばす
長所:
1.半田皮膜があるため、プリフラックス処理よりは、半田付けまでの時間が長く取れます
2.半田皮膜があるため、半田濡れ性がよい
欠点:
1.付着した半田量にムラがある。特にBGAやLGAの実装には注意が必要です
2.付着した半田の表面をフラットにするためにエアで削りすぎると銅と錫の化合物が露出し、その化合物に
  酸化膜ができ、銅の酸化膜より強いのでポストフラックスで除去出来ずに半田付け不良となりやすい
3.鉛フリーハンダのレベラーでは基板の銅食われ現象も懸念されます

金フラッシュ処理
基板の銅(Cu)表面に、無電解ニッケル(Ni+)メッキ(13μm)をして、その上に
無電解金(Au)メッキ(0.020.03μm)をする
長所:
1.表面の半田濡れ性はよい
2.銅の表面にメッキ膜があるので、酸化を防ぎます
欠点:
1.ニッケルとスズの結合力は、銅とスズの結合力より劣ります
2.いわゆる、金メッキ問題が発生すると、半田付け強度が極端に落ち、目視検査では見つけ難い

金メッキ問題
はんだ付けをすると、金は瞬間的に錫(半田)の中に拡散してニッケルとスズが接している状態になります
ニッケル表面腐食説(ブラックパット)
Ni+PメッキにおいてP()が少ないと、耐食性が劣るため、無電解金メッキによって表面が腐食し、
濡れ性が悪くなります
燐偏析説:
Ni+PメッキにおいてP()が多いと半田付けの際、ニッケルの分子がスズ(半田)の中に拡散して、
燐だけ取り残され燐の偏析層が出来てもろくなります

いろいろな説があり、複合的に発生している可能性もありますが、いずれにしても、メッキ液の管理、洗浄の管理、
PH管理などを厳密に行えば防げるようです